生活習慣病とは
以前は、高血圧、糖尿病、心臓病、脳卒中などの病気は加齢とともに発症するものと考えられてきたため、成人病と呼ばれていました。近年の研究により、これら成人病の病気が発症するまでに食生活・喫煙・飲酒・睡眠などの生活習慣や子どもの頃からの良くない習慣の積み重ねが大きく関わっていることがわかり、生活習慣病という呼び名に変わりました。
これらの生活習慣病は、初期段階では自覚症状が出にくいものもあり、気がつかずに放っておくと心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こし、死につながることもあります。気になる方は一度ご相談ください。
生活習慣病の進行フロー
第一フェーズ
- 食生活の運動不足
- 飲酒
- 喫煙
- ストレス
- 過労
第二フェーズ
- 肥満症
- 高血圧症
- 高脂血症
- 糖尿病
- 肝臓病
- 腎臓病
第三フェーズ
- がん
- 脳卒中
- 心臓病
- 糖尿病の合併症
- 肝炎・肝硬変
- 腎炎・腎臓結石
生活習慣病の代表例
糖尿病
糖尿病は、血液の中のブドウ糖の濃度(血糖値)が高くなる病気です。血糖値が高くなると、のどの渇き(口渇)、飲み物をたくさん飲んでしまう(多飲)、尿の回数が増える(多尿)、つかれやすい(易疲労感)、体重減少、空腹感などの症状がみられます。発症初期や高血糖の程度が軽い場合においては、自覚症状がほとんどなく、患者さま自身が気づかないケースが多いです。血糖値が高い状態が続くと、失明する危険のある糖尿病性網膜症や、透析の原因となる糖尿病性腎症、さらに動脈硬化の進行によって起こる心筋梗塞や脳梗塞などさまざまな合併症が引き起こされます。
高血圧症
高血圧は血管の内壁にかかる圧力が高い状態のことを指します。高血圧が長期間続くと、血管に常に負担がかかるため、血管の内壁が傷ついたり、柔軟性がなくなって固くなったりして、動脈硬化を起こしやすくなります。高血圧の状態を放置していると、動脈硬化がすすみ、脳梗塞や心筋梗塞、あるいは慢性腎臓病などの重大な病気につながります。
高脂血症
高脂血症とは、血液中の脂質であるコレステロールや中性脂肪等が通常より多い状態です。メタボリックシンドロームの代表的な疾患と呼んでもよいでしょう。動脈硬化をはじめ、心筋梗塞、脳梗塞、狭心症等の合併症を引き起こしやすくなります。
メタボリックシンドローム
内臓脂肪型肥満によって、さまざまな病気が引き起こされやすくなった状態を『メタボリックシンドローム』といい、治療の対象として考えられるようになってきました。
多くの生活習慣病が、『メタボリックシンドローム』から始まります。
内臓に脂肪が蓄積した肥満が原因で高血圧、高脂血症、糖尿病などを引き起こします。
多くの生活習慣病が、『メタボリックシンドローム』から始まります。
内臓に脂肪が蓄積した肥満が原因で高血圧、高脂血症、糖尿病などを引き起こします。
治療法
食事療法
生活習慣病の最も効果的で重要な治療方法です。適切な分量の食事で、必要とする栄養を摂取できるようにコントロールします。必ず医師の指導の下、バランスの良い食生活を送りましょう。
運動療法
食事療法と同様、生活習慣病の基本となる治療方法です。運動によってブドウ糖や脂肪酸の体内での利用を促進させます。但し、合併症や薬剤で治療している場合は運動が制限されることもあります。
薬物療法
生活習慣病の薬物療法には、決められた量と時間に服用することが重要です。
医師の指導を守り、服薬記録をつけるなどして適切な服用をお願いします。